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口腔がん診療センター

口腔がん診療センターの概要

多職種参加による診療カンファレンス

口腔がん診療センターは口腔外科が主体となり口腔・顎顔面およびその周囲の臓器に発症した悪性腫瘍(癌、肉腫など)に対し、診断治療、予後観察までを行う専門的な診療体制です。当院の口腔がん治療は外科療法を中心に放射線療法や化学療法を併用した集学的治療を行っています。口腔がん治療の多くは入院治療が必要となりますが、入院中は口腔衛生管理や咀嚼、嚥下に対するリハビリテーションを行い、患者さんの早期の社会復帰を促します。
個々の患者さんについては週1回、多職種参加による口腔がん診療カンファレンスを行い、チーム診療にあたっています。また、毎月1回、臨床病理症例検討会を行い、臨床と病理互いの情報交換を図り、診療の質の向上に努めています。
白板症に代表されるような前がん病変、上皮内がんや表在がんなどの口腔がん早期病変に対しても口腔病理医と緊密に連携し積極的に診断・治療を行っています。

口腔がんとは

我国における口腔がんの発生頻度は、他の臓器に発生した全ての癌の2~3パーセントと云われています。この数値が、意味するものが多いのか少ないのかは別として、年々増加傾向にあると云われています。
性別による口腔がんの発現度は、いずれの国においても男性に多く発症しています。
好発年齢(発症しやすい年齢)は50~70歳とされています。
口の中でもがんができやすい場所(好発部位)は、舌側縁部(舌の両わき)、上・下歯肉(歯ぐき)に多く、次いで口腔底(舌の下から歯ぐきの間)、頬粘膜、硬口蓋(上あご)です。また、上顎(洞)がんも頻度の高いものです。

舌がん

下顎歯肉がん

このように口腔がんのできる場所は、その解剖学的位置から比較的目に触れやすく、自分でも異常に気付き、発見しやすい部位に発症します。
しかし、早期発見、早期治療という点ではかならずしも満足できる状況にあるとは言えません。その原因として、口内炎や歯肉炎、咬傷など口腔の粘膜の病気は放置しておいても比較的短時間で自然に治る事も多く、早期の口腔がんのように痛みがなく、自覚症状が乏しいものでは、相当大きくなるまで気付かなかったり、異常に気付いても放置されることが多いためと思われます。
口腔がんの予後は他の領域のがんに比べ発見しやすく、早期治療が可能なため比較的良いといえます。一方、進行例では、顎骨や隣接組織に浸潤拡大します。また、比較的早い時期から顎の下や頚のリンパ節に転移するとともに、肺など遠隔組織にも転移が生じます。

当院における口腔がんの治療

<舌表在がんの超音波所見>
破線部分が腫瘍の大きさと深度を示す

治療は口腔外科が主体となって行い、外科療法を中心に、化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法を併用した集学的治療を行っています。放射線治療については、提携病院において当院担当医と緊密な連携のもと放射線治療専門医により行われています。
口腔がんにおいても早期発見、早期治療が極めて重要であることは言うまでもありません。口腔がんの中で最も発症頻度の高い舌がんでは、白板症のような前がん病変を含め上皮内腫瘍(がん)や表在がんなどの早期病変がしばしばみられます。このようなCTやMRIで描出されにくい小病変に対して、口腔内の超音波(エコー)検査を行い、大きさや、深度を評価し、治療範囲の決定に役立てています。病変の切除時は切除範囲の決定のために、ヨード生体染色を行っています。また、切除手術の際は原則的に口腔病理医立ち会いのもと施行し、ヨード染色の状態、切開範囲の設定などを確認し合い、精度の高い手術を行えるよう心がけています。

舌表在がんとヨード染色所見

外科治療は、口腔や顎、顔面に大きな組織欠損を伴う事があり、患者は咀嚼、嚥下、構音など日々の生活に必要不可欠な機能や顔面の形態も失う事も多くあります。そこで当院では、口腔がん進行例に対して、1985年より微小血管吻合を用いた遊離組織移植による即時口腔再建をおこなっています。即時再建手術を行う事で口腔機能や顔面の審美的にある程度満足できる結果を得ています。

術前・術後の入院治療と病棟生活

口腔がん治療は原則として入院治療が必要となりますが、治療前より口腔ケアや咀嚼、嚥下に対するリハビリテーションを積極的に行うことで、患者さんの早期の社会復帰が果たせるようになってきました。
手術前の入院治療は、腫瘍に対する治療のみでなく、術後の機能障害を想定し、飲水訓練、呼吸法の指導などの患者さん一人一人に合わせた練習がおこなわれます。
手術が終った患者さんには、必要十分な栄養摂取ができているかを、担当医とは別の栄養サポートチームの医員が定期的に監視、管理し、早期の回復をサポートします。
また、口腔リハビリテーション科の担当医により手術によって失われた組織や機能を補う顎義歯の制作や言語聴覚士による訓練などのリハビリが速やかにおこなわれ、できうる限り病気前の生活に戻れるようサポートいたします。